台湾系企業が中国大陸撤退を検討

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 アメリカと中国大陸の間の貿易摩擦がエスカレートを続け、双方の交渉も膠着状態が続いています。このため、中国大陸に進出している台湾系企業は、その影響を避けるため、積極的にサプライチェーンの再構築に取り組んでいます。経済部によりますと、すでに20社の台湾系企業が、台湾に戻って投資する意向を示しており、これに続いてさらに多くの企業が同様の意向を示しているもようです。

 

経済部投資業務処の張銘斌・処長は、「第一陣の20社に続いて、第二陣は大型企業のほか、中小企業や台湾には拠点がなく中国大陸だけで経営している台湾系企業もある。現在、経済部は、台湾側の対中国大陸窓口団体の「海峡交流基金会」と共同で、詳細について調査している」と指摘しました。

 

しかし、中国大陸で雇用を創出し、中国大陸の経済成長に貢献した台湾系企業の撤退は、決して容易ではありません。こうした台湾系企業が中国大陸側から圧力を受けないよう、経済部は投資案が決まるまで、「全国工業総会」など台湾の民間経済団体を通じて、生産拠点の移転に協力することになります。

 

さらに、アメリカと中国大陸の貿易摩擦の影響について、中華経済研究院の王建全・代理院長は、「台湾の企業は、これまでのように安価な生産コストを求めるという考え方を変え、生産拠点を分散すべきだ」と指摘しました。労働集約型産業を東南アジアに移転し、付加価値が高い産業や、レベルアップした業種は台湾に戻す。一方、デジタル経済もたらすチャンスも把握すべきだ」との考えを示しました。

 

王・代理院長は、「企業や政府は、アメリカのベンチャー・キャピタルへの投資、特にアメリカの大学が開設したベンチャー・キャピタルに投資し、その上で大学の中から提携の対象を探すことができる。アメリカでは企業と大学の産学連携は非常に盛んにおこなわれており、それそのものが一つの技術となっている。こうした技術を台湾に持ち帰って応用すれば、台湾は引き続きニューエコノミーの分野をリードすることができる。そうすることで、東南アジアや中国大陸に対して、経済面で一歩進んだ地位を保つことができ、中国大陸の低価格戦略に巻き込まれないですむ」と指摘しています。

 

一方、引き続き中国大陸に留まる台湾系企業は、主に中国大陸の内需市場をターゲットとしているため、アメリカと中国大陸の貿易摩擦の影響を受けませんが、こうした企業は今後、生産コスト上昇にさらされる可能性が高いと見られています。

 

(編集:曽輿婷/早田健文)