大会主席の蘇嘉全・立法院長、会場の貴賓の皆さま、テレビの前で、そしてネットで実況中継を見ている全国の同胞の皆さん、おはようございます。こんにちは。
今日は中華民国107歳の誕生日です。会場では、世界各地から駆け付けた多くの華僑と友人たちが、私たちと共に国家の祝典を祝ってくれています。私は、台湾人民を代表して、遠路はるばるやってきてくださった皆様に、心から感謝を申し上げます。
国慶節のこの日、我々は共にそれを祝うだけでなく、一緒に国家の未来を考える必要があります。過去1年、新しい国際情勢は、すべての国家に試練を与えており、当然、私たちも試練を受けています。政府は、休むことなく、考えています。どのように、この試練の中からチャンスを見つけるのか。どのように、変動の中から、国家にとって最善の戦略と道を見つけ出すのか。今日、私はこの機会を借りて、全国の人々に政府としての対応の道をまとめてお話しします。
皆さんも観察していらっしゃることでしょうが、国際情勢は劇的な変化に直面しています。米中の間の貿易摩擦は、国際的な産業分業の再編をもたらし、従来の経済・貿易秩序に衝撃を与えています。
同時に、インド・太平洋地域、および台湾海峡両岸の関係の複雑さが高まっています。中国が地域の現状に挑戦を試みていることは、国際社会から高い関心を持たれています。台湾は西太平洋の第一線に位置しており、当然、巨大な圧力を受けることになります。
この間、中国の一方的な言論や武力による威嚇、外交的な圧力は、台湾海峡両岸関係を傷つけているばかりでなく、台湾海峡の平和・安定の現状に大きな試練をもたらしています。
圧力に直面して、一部の人たちは政府としてより対抗的な立場を採用すべきだと望みます。しかし、別の一部の人たちは、我々は一歩退いて妥協すべきだと考えます。
しかし、皆さん。厳しい局面であればあるほど、台湾はより安定を維持し、沈着な態度で圧力を解消し、冷静に生存の基礎を探さなければなりません。
この2年来、私は一貫して堅持してきました。2300万人の自由・民主の生活方式を守り、中華民国の永続的発展を守り、台湾海峡の平和と地域の安定を維持すること。これが、台湾人民の最大公約数であり、一人一人の責任ある政治家と政党が、いずれも堅持し、守るべきことです。
世界中が、中国勢力の拡張に対応すると同時に、私が率いる政府は、世界に台湾の強靭さを示さなければなりません。台湾を守る最良の方法は、台湾を世界の中でなくてはならない、取って代えることのできない存在にすることです。
外材の力が一方的に台湾海峡の現状を変更しようとしても、台湾人民から受け入れられることはありません。世界的に普遍な価値の違反するいかなる主張も、絶対に国際社会からの賛同と支持を受けることはありません。
私は、再度、北京当局に呼びかけます。責任ある大国は、地域と世界で、良性の役割を担うべきであり、衝突の源になるべきではありません。
総統として、私は皆さんに約束しなければなりません。私たちは軽々しく対抗を高めることはありせん。また、屈従して譲歩することもありません。私は、一時的な激憤によって、衝突・対抗に走り、台湾海峡両岸関係を危機に陥れることはありません。また、私は、民意に背き、台湾の主権を犠牲にすることもありません。情勢の変化の中で、我々は絶対に、情勢判断を誤ってはなりません。衝突激化または妥協屈従のいずれも、混乱を招くだけです。
我々の対応の道は、つまり「安定、臨機応変、進歩」です。この道には、多くの試練が待ち受けています。しかし、現段階の台湾が、安定した足取りで進むべき道なのです。
効果的な対応策は、強固な国力が基礎です。このため、現在の最も重要な任務は、つまり国家の安全を強化し、経済の実力を強化し、社会のセーフティーネットを強化することです。絶えず台湾を強くし、実力を強化し、台湾をますます国際社会において代替させることができないものとする。これこそが、台湾が永続的に生き残ることを可能とする基礎なのです。
現在、国家の安全が直面する試練は、すでに従来からの国防・軍事面の安全ばかりではありません。外交での圧力、社会への浸透、さらには経済安全。これらはいずれも、脅威を構成する手段となる可能性があります。現在の急務は、全体的な戦略を構築し、国家安全の事業を強化することです。
国家安全のための全体的な布陣で、第1の道は、外交上で価値観による連結を強化し、台湾を他と交換することができない戦略的に重要な存在とすることです。我々が選択する戦略は非常に明確なものです。つまり、自由・民主、そして市場経済を固く守ることです。この二つの価値観は、台湾が今日、アジアの民主主義の模範となり、経済の実力を発展させてきた基礎です。
過去2年、中国の圧力の下で、我々は価値・理念の堅持で、高度な強靭性を示し、ますます多くの近い理念を持つ国家が、中華民国台湾への支持を表明しています。
特にアメリカは、最近、議会で台湾に友好的な多くの法案を可決したばかりでなく、数日前にはペンス副大統領が、中国による台湾外交への圧力を公開で批判し、さらに 台湾の民主主義制度を肯定的に評価しています。
台湾と民主主義の価値観を共有する日本は、国際社会で台湾に声援を送り、また自然災害では互いに助け合い、思いやるなど、両国の間の友情はますます深まっています。
最近、欧州議会も、台湾の民主主義の発展を肯定的に評価する決議を行い、同時にEU(欧州連合)の加盟国に対して、中国の武力による台湾への挑発、台湾海峡の平和の破壊を、全力で阻止するよう呼びかけました。
我々の多くの国交国が、積極的に台湾ために奔走してくれており、国際協力で台湾を除外しないよう呼びかけています。今日、台湾のために声を上げて支持してくれた3人の友人、パラグアイのマリオ・アブド・ベニテス大統領、セントクリストファーネイビスのタプリー・シートン総督、セントルシアのアレン・シャネス首相も、我々の国慶節の式典に出席しています。
我々はこの機会を借りて、この方たちに心よりの感謝を伝えたいと思います。それでは、皆さん、熱い拍手で、遠路やって来てくれた3人の貴賓を歓迎しましょう。
国家安全のための全体的な布陣で、第2の道は、国防戦力の向上です。
「重層の威嚇、強固な防衛」。これが、我々の軍事戦略です。その核心的な価値は、つまり中華民国国軍の戦力にあります。私はかつてこう語ったことがあります。蔡英文が総統に任じている限り、国防予算は毎年安定的に増加させる。我々の優れた部隊と戦備は、絶対に中華民国台湾の主権を守る能力がある。
このほか、我々はまた、「国防自主」ま能力を全力で強化しています。今年6月、私は漢翔航太工業公司を訪れ、高級練習機の完成式を主催しました。今年8月、海軍司令部で、「新海軍就航」を宣言しました。
幾度も延期されてきた高級練習機と潜水艦の国産化計画を再始動させ、国防工業を新時代にまい進させています。未来の国防工業は、国軍の戦力を強化するばかりでなく、さらに産業のグレードアップとクラスター化をけん引し、経済発展の重要な原動力となります。
国家安全のための全体的な布陣で、第3の道は、外来勢力による国内への浸透と破壊を阻止し、民主主義制度と社会・経済の正常な運営を確保することです。
台湾の多元的で民主的な点は、我々が固く守っている台湾の価値です。しかし、もし他の国家が、台湾社会の自由さを利用して、浸透を進め、混乱を生み出すのであれば、我々はあらゆる方法によってこれを防止し、絶対に座視することはありません。
フェイクニュースの散布、不法なハイテク情報の窃盗、あるいは情報安全システムに対する故意の破壊、さらには各種の方式による選挙への介入の試み、政治運営への干渉といつた行為は、証拠が確定しさえすれば、我々は必ず厳しく対処します。
系統的で、特定の国家を背景とするフェイクニュースの散布への対応では、我々は国際協力を強化します。経験の交流だけでなく、将来は取締りと通報のシステムを確立し、こうしたフェイクニュースが各国の社会の安定に対してもたらす破壊と衝撃に、共同で対応します。
国家安全のための全体的な布陣で、第4の道は、世界経済・貿易戦略の再構築と新たな展開です。
米中貿易摩擦、そして世界の経済・貿易秩序再建という巨大な変化に直面して、我々は必ず地域発展と世界サプライチェーンの中における台湾の役割を調整しなければなりません。我々は、中型・大型の海外台湾系企業が持つ地域分業の統合能力と世界展開能力、それに中小企業の活力によって、新しい戦略を展開し、台湾経済の全面的なレベルアップを促進しなければなりません。
我々は、3つの重要なことをやらなければなりません。
第1に、産業構造とリソースの相互補完の観点から、研究・開発と先端製造の分野で、アメリカ、ヨーロッパ、日本などの工業先進国と、緊密な産業分業と技術連携を構築し、全く新しい、高効率のサプライチェーンを生み出さなければなりません。
第2に、資源と市場の共有という観点から、発展の潜在力を備えた「新南向政策」国家および新興市場で、多元的な協力関係を通じて、共同で経済発展と生活・福祉に関連するサプライチェーンを構築し、経済の共同発展を促進しなければなりません。
第3に、我々の国交国で、現地の政府と共同で、気候変遷に伴う試練に立ち向かい、新しい発展のチャンスを探し、持続的発展の基礎を打ち立てると共に、台湾のために未来の新市場、新生産拠点、そして世界発展の新拠点を開拓しなければなりません。
経済的な実力の強化では、我々は経済の構造転換を推進し、インフラ建設計画を効率的に執行し、「5欠」(土地、水、電気、労働力、人材の不足)を真剣に解決し、同時に経済成長の利益を、全国民が分かち合うことができるようにしなければなりません。
経済構造の転換の鍵は、ハイテクです。政府は現在、「システム主導、ソフト・ハード統合、軍民協力、国際協力」の4大目標に向かって努力しており、技術レベルと研究開発能力の急速な向上を、経済レベルアップの重要な基礎としています。
我々は、新しい思考方法によって、時代に合わなくなった枠組みを解消し、競争を阻害する束縛を緩め、産業に新しいチャンスをもたらしています。
こうした中で、「5+2産業イノベーション計画」はすでに、効果的に産業のグレードアップを促進しています。スマート工場方式を導入した機械産業は、昨年の生産高が1兆台湾元を超えました。その製品の精密度と付加価値は、さらに向上し、航空・宇宙産業、IOT(モノのインターネット)、医療器材の製造水準を高めました。
このほか、原発廃止の目標に基づいて、グリーンエネルギー発展の青写真を確立すると共に、海外の洋上風力発電の大手による投資を誘致しました。それに付随して、新たな風力発電のサプライチェーンが次第に形成されています。
我々は、多元的な国際展開を強化しなければなりません。そうすることで、産業は情勢が変化した時、サプライチェーンをスピーディーに調整することで対応する能力を持つことができます。
行政院はすでに、特別チームを設置し、海外に進出している台湾系企業による生産拠点の多元的な配置に協力しています。台湾に戻って投資することを希望する台湾系企業に対しては、我々は全力で協力を提供します。もし、他の国家への投資を希望する場合も、我々は全力で支援します。
今年、「将来を見据えたインフラ建設」計画の第1期特別予算が執行を開始し、建設の効果が次第に現れています。内需拡大への貢献度も、現在高まっているところです。そのうち、グリーンエネルギー、デジタル、水資源、軌道交通、コミュニティ建設は、次の段階で台湾が優先的に投資しなけばならないインフラ建設です。
彰化県では、グリーンエネルギーによる税収で、安定した財源を確保できるようになり、学生の給食、社会福祉の実施において、財源のバランスを確保することができました。
先住民村落とへき地では、我々はブロードバンドネットワークを建設し、子供たちがインターネットを通じて世界とつながり、都市部とそれ以外の地区の格差が縮まりました。
水資源建設では、石門ダムの中荘調整池、湖山ダムの川下の水道工事、曽文ダムの堆砂防止トンネルの建設を通じて、我々は台湾北部から南部までの給水を安定させました。
異常気象によってもたらされる豪雨による局地的な洪水問題に対しても、各地で調整池、人工湖、河川整備、下水道汚泥除去などの工事を通じて、早急に災害減少の効果を上げることができるよう期待しています。
交通建設では、台湾東部地区は、蘇花公路改善計画、南回り公路改善計画によって、すでに初歩的な効果が表れています。
皆さんが関心を持っている軌道交通建設については、我々も努力を強化しています。東部地区に入るための鉄道システム、それに花蓮・台東間の鉄道システムの強化によって、台湾一周鉄道網をさらに完備されたものとしています。
台湾北部地区の都市部を連結する基隆ライトレール、新竹ライトレール、中部地区を結び付ける台中山手線、MRTの彰化への延長、そして高雄MRTレッドライン延長、イエローライン建設などの計画があり、台湾の南部から北部まで、すでに多くの新しい計画の策定が進められており、相次いで認可段階に入っています。
軌道交通建設の発展は、便利な交通手段を提供するだけでなく、効果的に自動車オートバイがもたらす大気汚染を減らすことができます。
「将来を見据えたインフラ建設」計画を大々的に推進する目的は、つまり投資環境の改善、地域発展の均衡化であり、台湾の次の世代のために、より良質の環境と生活を生み出すことにあります。
我々は、産業の投資環境の改善に全力で取り組んでいます。企業が関心を持っている生産に必要な要素、つまり土地、水、電気、人材、労働力の不足という「5欠」問題については、頼清徳・行政院長が真剣な態度で、一つ一つ、一歩一歩解決しています。
皆さん、思い出してください。昨年夏、電力供給が非常にひっ迫し、電力供給の警戒信号である「オレンジ」信号が66日連続で点灯しました。今年の夏、天気も景気も、昨年に比べて加熱しました。しかし、電力供給の「オレンジ」信号は1日も点灯しませんでした。我々は、電力供給の危機を乗り越えたのです。
もう一つ、思い出してください。今年上半期、台湾西部地区は雨が非常に少なく、多くの人が水不足を心配しました。しかし、水資源の開発、節水、越境給水、備蓄などの措置、それに加えて「将来を見据えたインフラ建設」計画によって、我々はこの試練も乗り越えました。
少し前、台湾積体電路(tsmc)、華邦電子(WINBOND)、力晶科技(Powerchip Technology)などの大型企業が、台湾への投資を追加しました。海外の大型企業では、グーグル、マイクロソフト、シスコシステムズ、フェイスブックが、台湾での研究・開発センターの開設を準備したり、新規計画を提出したりしています。これらは、我々の投資環境改善の成果が、国内外の企業から肯定的に評価されていることを示しています。
経済構造転換が始動し、インフラ建設が始まり、投資環境が改善を見せると同時に、景気の回復も現れており、台湾経済は安定成長を開始しています。
2年前、私たちは3四半期連続の衰退から抜け出しました。今年1~5月の失業率は、同時期としてこの18年の最低となりました。2017年の実質賃金は、過去最高となり、この十数年続いた賃金の低下がストップしました。
経済指標の好転は、もちろん喜ばしいことです。しかし、政府にとって、最も重要なことは、どのようにして経済成長の成果を、すべての人々に分配するかどす。
今年、我々は、軍人・公務員・教職員の賃金を3%引き上げ、それによって企業による賃金引き上げの風潮を誘導しました。我々は、最低賃金の引き上げも加速しており、来年からは2万3100台湾元に到達し、ようやく「22K」(2万2000台湾元)と呼ばれた低賃金の状況から脱却します。このほか、我々は学資ローンの返済期間に4年間の猶予期間を追加し、学資ローンの返済を抱える人たちの負担を軽減しました。
来年から発効する税制改革では、税制の合理性、租税の公平性がもたらされます。4大項目の控除額が大幅に引き上げられ、将来、月給3万台湾元以下の人は、個人所得税の納付が不要となります。就学前の子供を持つ家庭は、免税額が大幅に増えます。
社会のセキュリティーシステムの健全化では、2016年、つまり私が就任したばかりの時、多くの人たちが心配したのは、つまり不動産価格が高騰している、高齢者の世話をする人がいない、育児負担が重い、社会の治安が悪い、麻薬・覚せい剤が氾濫して国家の根幹を揺るがしているなどの問題でした。多くの問題の解決が待たれていました。このため、この2年来、我々はほとんど強行軍のスピードで、社会のセキュリティーシステムの健全化を進めてきました。
住宅問題解決にかかわる社会住宅の供給では、多元的な方法で建設を進めており、現在のところ完成または建設中のものは、すでに2万4000戸を超えています。さらに後続の建設案件も起工することから、これを加えて今年末には総戸数は3万5000戸に達する見込みです。問題が最も深刻な台北市・新北市では、この2年間ですでに5400戸に相次いで入居が行われています。私もそのうちの何カ所かを視察しましたが、質と量のいずれも、満足できるものでした。
市民にとってひっ迫している問題は、長期介護です。現在、「長期介護2.0」までレベルアップしており、1966番の専用電話にかければ、担当者が協力を提供します。我々は、協力を提供する対象と範囲を拡大しています。また、我々は待遇を引き上げることで、より多くの人たちが介護の仕事に従事して介護サービスを提供し、よの多くの家庭の需要を満たしてくれることを期待しています。こうした努力の結果、長期介護サービスを受ける人の数は、この1年間で5割増えました。また、介護から解放される時間を作ることのできた人の数は、この1年間で2倍に増えました。
出生率が低いことは、すでに国家安全にかかわる問題となっています。我々は、手当を支給するほか、さらに託児の「準公立化システム」を構築し、託児の全面公立化の目標に向かって一歩を進めました。現在、公立および準公立化で低価格の託児サービスを受けることができる子供は、5万6000人に達しており、以前に比べて普及が広がっています。我々の目標は非常に明確です。親の負担を軽減すれば、出生率は改善のチャンスがあります。
皆さんが関心を持っている治安問題。我々は、ハイテク技術の助けを受け、スマート方式で警察を配置しており、犯罪発生率は確実に低下傾向を見せています。我々は、組織犯罪と詐欺行為に対して全面的な撲滅を進めています。今年はこれまで、検察・警察は、改正された「組織犯罪防止条例」に基づき、積極的に詐欺グループ、暴力組織など各種犯罪組織の摘発を進めており、起訴された者は1300人を超えています。
今年2月と6月の2回にわたって、麻薬・覚せい剤の一斉取り締まりを実施し、各種の麻薬・覚せい剤合わせて9700キログラムを押収しました。麻薬・覚せい剤の製造、販売、販売元締めにかかわった者、合わせて1900人を逮捕しました。我々はさらに、4年内に100億台湾元の経費を投じ、新しい麻薬・覚せい剤撲滅戦略を執行し、麻薬・覚せい剤の製造・販売ネットワークを、社会から完全に除去します。
国民の皆さん、国家の発展方向はすでに変わりました。変化はけっして怖いことではありません。なぜなら、変化は、世界の変化に対応し、台湾を引き続き確固とした存在とするためです。
変化は、過去の誤りを是正し、我々が国家を次の世代に渡すとき、担うことの難しい重荷を残さないためです。そのため、我々は全力で国政改革に努めています。国家は進歩しなければなりません。つまり、振り返ることはできません。
年金改革は、我々が振り返ることのできない道です。なぜなら、我々はすべての世代の人たちを、財政危機の崖っぷちに立たせることはできないからです。
原発廃止も、振り返ることのできない道です。これは、原発がある新北市と屏東県だけのためではなく、子々孫々の台湾人から、放射能災害の脅威を遠ざけるためです。
移行期の正義は、さらに振り返ることのできない道です。過去の政権担当者が犯した過ちに、現在の政府は勇敢に立ち向かわなければなりません。真相をはっきりさせ、教訓をくみ取ることではじめて、民主主義は大きく前に進むことができます。
改革には、あるいは痛みを伴うかもしれません。しかし、10年後、20年後、次の世代は、我々の今のこの選択に、感謝することでしょう。これは、指導者の意思が試される時です。私は、この重荷を担い、国家を正しい道に導いていきます。
最後に、私は特別に、今日、皆さんをリードして国歌をて歌ってくれた代表の方々に感謝します。彼らは、灯台守の方たちです。
我々の全国各地の海岸に、36の灯台があります。この人たちは、灯台を守り、海上の航行の安全を守っています。私は国家を代表して、皆さんが孤独と苦難に耐えて、海岸を照らしてくれていることに感謝します。
台湾は一つの灯台のようなものです。我々の民主主義の転換は、自分たちがかつて歩んできた暗黒を照らすだけでなく、民主主義を追求するすべての人々のために、暗闇の中の光を与えます。このため、香港、中国大陸、そして世界の各地で、民主主義を追求する友人の皆さん、どうぞ台湾の方向を見てください。台湾の民主主義は、世界を照らしています。
世界が台湾の麗しさを見てくれる時、台湾は孤独ではありません。私は海外の友人に語りたい。この道を、我々は勇敢に歩んでいきます。
台湾の民主主義は、少し騒々しいかもしれません。しかし、我々は、これまでも常に台湾のために団結しており、団結しているために強いのです。なぜなら、この国家は、2300万人の人民のものであり、この国家は、完全な形で子々孫々に引き継いでいかなければなりません。
我々は終始、信じてきました。台湾人は独特の強さを持っていて、これまで止むことのなかった内外からの試練に立ち向かってきました。団結して、国家をより良くする。これがつまり、今年の国慶節のテーマ、「タイワン・トゥギャザー」の最高の表現です。
最後に、私は皆さんのご健勝を祝します。
中華民国、誕生日おめでとう。ありがとうございました。※