半導体のパワーチップ、12インチ工場に2780億元

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半導体大手メーカーの力晶科技(パワーチップ・テクノロジー)の黄崇仁・会長はこのほど、苗栗県銅鑼郷に位置するサイエンスパーク・新竹科学園区銅鑼基地に、2780億台湾元(日本円およそ1兆円)を投じて、2つの12インチ・ウエハ工場を建設すると発表しました。この工場は2022年に生産を開始し、1カ月当たりの生産能力は10万枚を予定しています。また。2700人の雇用を創出します。

 

この発表には、科技部の陳良基・部長、行政院国家発展委員会の陳美伶・主任委員の二人の閣僚も同席し、政府がこの投資を非常に重視していることを示しました。

 

パワーチップ・テクノロジーの黄・会長は、投資に当たって最も心配していた土地、水、電気、環境アセスメントなどの問題について、政府が一つ一つこうした投資障害を解決したことを評価しています。

 

黄会長は、「今回、土地、環境保護も心配いらない。最も心配していた電力も問題がない。私は、蔡英文・総統、頼清徳・行政院長が非常に関心を持ってくれたことを実感している。また、私の友人である科技部の陳・部長は、全力で対応してくれた。この人たちは、政府が台湾への投資に尽力していることを見せてくれた」と指摘しました。

 

また、黄会長は、中国大陸がこのところ盛んに台湾の半導体産業から人材を引き抜いていることについて、「可能な限り、引き留める。パワーチップは長年の悲惨な状況を経験したが、核心となるスタッフは会社を離れなかった。最も重要なことは、やはり新しい人材を育てることだ」と語りました。

 

同席した科技部の陳・部長は、「企業が必要とする人材問題について、科技部と教育部は現在、積極的に育成を進めている」と指摘しました。

 

陳・部長は、「人材については、科技部だけでなく、我々は教育部とも協力して、いくつかの作業センターを設置している。これによって、台湾に投資するハイテク企業は、ハイテク研究・開発人材の不足を心配する必要がなくなる」と指摘しました。

 

なお、パワーチップが投資場所に新竹科学園区銅鑼基地を選んだのは、新竹科学園区本体、それに中部科学園区の間に位置し、台湾西部のハイテクベルト地帯に位置しているためです。将来、半導体の先端的なテスト、スマートマシン、電気自動車、自動車用電子製品、バイオテクノロジーなどの関連企業が収集する見込みです。現在もすでに、半導体サプライチェーンの多くの企業が進出しており、今回のパワーチップ・テクノロジーの進出で、台湾の半導体産業の発展が促進されると期待されています。

 

(編集:早田健文)