総統、日台交流協会の沼田代表に勲章授与

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蔡英文・総統(右)が1日午前、総統府で沼田幹夫代表(左)に「大綬景星勲章」を授与し、台日関係の促進における沼田代表の大きな貢献に感謝した。(写真:CNA)

日本の対台湾窓口機関、「日本台湾交流協会」台北事務所の沼田幹夫代表の離任を控え、蔡英文・総統が1日午前、総統府で沼田幹夫代表に「大綬景星勲章」を授与しました。外交部の呉釗燮・部長が先ごろ、沼田幹夫代表に送った記念盾に沼田代表のことを「最敬愛的大哥哥(最も敬愛なる「お兄さん」)と書いて野党から「日本に媚びる」と批判されたため、沼田代表はあいさつの中で特にこのことに言及しました。

沼田代表によりますと、自分にとって台湾には敬愛なるお兄さんが二人、敬愛なる弟も二人います。敬愛なるお兄さんは国家安全会議の李大維・秘書長と、台湾の対日本窓口機関「台湾日本関係協会」の邱義仁・会長です。敬愛なる弟は、外交部の呉釗燮・部長と国家安全会議の林成蔚・諮問委員です。台湾の新聞から「台湾に媚びる日本の代表」と言われるかもしれません。

沼田代表はまた、「台湾に赴任に来る5年三ヶ月前、東京を出発しようとした際、日本のある高官から、『台湾と日本の関係の変化は、双方がいかにして互いの関係を促進・強化するかによって決められる。そのため、あなたの責任が非常に重い』と言われたことがある。」と振り返りました。

沼田代表はさらに、「日本がいいと思うことは、ひょっとしたら台湾にとって良くない。或いは不愉快な思いになるかも知れない。自分はこのようなことを考えながら任務を遂行してきた。」と述べ、「成し遂げたいこと、推進したいことが山々だが、後任、または同僚に任せるしかない。彼らは台湾各界と緊密に協力し、これらの仕事を完成するだろう」と期待を寄せました。

一方、蔡英文・総統はあいさつの中で、沼田代表の台湾に対する貢献に再三感謝しました。蔡・総統は、「沼田代表は台日関係の促進に余念がない。豊かな成果も数多くあげた。例えば、日本台湾交流協会の改名を推進、実現したこと。台日間の海洋事務協力対話メカニズムを構築したこと、20項目に及ぶ協力協定を締結したことなど、台湾と日本の実質的な関係の促進に重要な影響力を生かしている。」と称えました。

蔡・総統はまた、沼田代表が、台湾による各種の国際組織への参与を支持し、中国が台湾を圧迫しようとした際、台湾のために声をあげていたことにも感謝しました。

蔡・総統は今年3月、台湾、日本、アメリカの共催による2019「グローバル協力訓練枠組(GCTF)」に基づいて実施された「公的機関・私的機関における汚職撲滅国際研修ワークショップ」についても触れ、それは画期的、かつ重要な成果だと評価しました。

蔡・総統は、沼田代表に勲章を授与することによって、台日関係の促進における沼田代表の大きな貢献を浮き彫りにすると共に、政府と国民を代表して沼田代表に謝意を表したいと述べました。

なお、呉釗燮・外交部長が「日本に媚びる」と批判されたことについて蔡・総統は、これは、これまで双方が緊密に協力して共に仕事に当たる友情を示すもので、一部のメディアはそれを過度に解釈しただけだとの見方を示しました。

(編集:王淑卿)

 

新聞來源:RTI
編集:王淑卿