イノベーションによって開発された技術と製品を一堂に集めた「台湾創新技術博覧会」(台湾イノテック・エキスポ)が、9月26日から28日、台北市の台北世界貿易センターで開催されました。
この展示会は、発明やイノベーションの成果を紹介してビジネスにつなげることが目的です。展示は、未来の技術に関する「フューチャー・テクノロジー」、イノベーション・発明に関する「イノベーティブ・アイディア」、持続可能な開発に関する「サステナビリティ」の3つのテーマで行われました。
この展示会では、台湾の5つの中央政府機関に所属する研究・教育機関が、未来科学技術パビリオンを開設すると共に、研究・開発機関や企業が、100件を超える新しい技術や製品を紹介しました。
また、台湾の企業や団体の他、海外からは日本、アメリカ、ヨーロッパ、東南アジアなどからも企業や団体が参加しました。
そのうち、国防医学院がバーチャル・リアリティ(VR)技術を使って開発した「大量負傷者発生事件処置シュミレーション・システム」は、重大な事故が発生した際の現場での処理能力を高めるための訓練に効果が期待されます。また、台南市の崑山科技大学が開発した「磁助力自転車」は、携帯電話の充電もできます。
この展示会では、台湾のイノベーションに関するソフトパワーが十分に発揮されていすます。
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大型バスが事故を起こして横転し、たくさんの人が怪我をしています。
バーチャル・リアリティのゴーグルをつけると、その救助現場がシュミレーションされます。
国防医学院の学生がゴーグルを付けて、緊急の心臓マッサージを施します。
一回、二回と押すのですが、画面の上では位置が違うと表示されます。
すぐに場所を換えて、心臓マッサージを続けます。
国防医学院の学生の陳襄睿さんは、「手の位置がセンサーで確認され、もし間違っていたら、カウントが停止します」と説明します。
これは、国防医学院が2年をかけて開発した、バーチャル・リアリティ技術を運用した「大量負傷者発生事件処置シュミレーション・システム」です。このシステムを使って、医療関係者にできるだけたくさん訓練をしてもらい、事故現場での対応能力を高めてもらおうというものです。
このシステムは、昨年、韓国でのイノベーション・発明大会で、金賞と特別賞を獲得しました。
「台湾創新技術博覧会」(台湾イノテック・エキスポ)には、見どころがたくさんあります。
これは、自転車をこぐと発電ができるという、「磁助力自転車」です。車輪に助力モーターをつなぐことで、車輪が回転すると発電するというものです。携帯電話の充電もできます。
崑山科技大学機械学科の陳長仁・教授は、「モーターと発電機を兼用します。この2個はモーターとして、こちらの6個は発電機となります」と説明します。
「私たちの理想は、自分が使う電気は、自分で発電する、ということです」
グリーンエネルギーの発展に合わせたもので、さらに風力発電にも応用することができます。この発明は、経済部知的財産局から、今回の展示会の注目の項目に指定されました。
また、医療とビッグデータを組み合わせて、3分以内に病気の兆候を判断することができます。医療とハイテクの結合も、注目点の一つです。
3分以内に、ビッグデータを利用して、糖尿病によって生じる4種類の網膜の異常を検出することができます。
「台湾創新技術博覧会」(台湾イノテック・エキスポ)では、新発明から未来の技術まで、台湾で開発された100件以上の技術や製品が展示され、台湾の発明のソフトパワーの強さを見せてくれました。
新聞來源:RTI
編集:早田健文